2型糖尿病でもらえる障害年金はいくらになるのか?

2型糖尿病が進行し、人工透析や網膜症などの合併症が現れ始めると、「この先、生活はどうなるのだろう」と不安になりますよね。

治療費の負担や働き続けられるかどうかの悩みは、想像以上に大きいものです。

さらに、障害年金の仕組みは複雑で、自分がいくら受け取れるのか分かりにくい点も悩ましいところです。

そこで今回は、2型糖尿病で受け取れる障害年金の金額や判断基準を、分かりやすくお伝えしていきますね。

※本記事の年金額は執筆時点での例であり、物価や制度改正などにより毎年見直されます。実際の受給額は、生年月日や加入状況、ご家族構成などによっても異なります。

 

 

 

2型糖尿病で障害基礎年金がいくらかは状況による

2型糖尿病で障害基礎年金がいくらかは状況による

 

2型糖尿病で障害年金がいくらになるのかという答えは、実は「一人ひとりで大きく異なる」が結論なんですね。

なぜなら、基礎・厚生のどちらに加入していたのか、家族の有無、そして合併症の進行度によって金額が段階的に変わる制度だからです。

受給が決まった後に「いくらもらえるの?」と不安になる方は多く、特に初めて受け取る月はイメージしにくいんですね。

そこでまずは制度の全体像を理解できるよう、以下の5つに分けて詳しく整理していきますね。

☞実際の相談ケース:「糖尿病と診断されている方からの相談 石川県金沢市」

 

①  障害基礎年金

障害基礎年金は、国民年金加入者や厚生年金加入者が共通して受給できる土台の部分ですね。

1級と2級の2種類があり、1級は2級の1.25倍で支給される仕組みです。

例えば、2級の金額は年間831,700円、1級は年間1,039,625円となり、受給が決まれば翌月分から支給される流れになりますね。

支払いは偶数月に2カ月分まとめて振り込まれるため、1回の入金が多く感じられる点も特徴ですね。

☞参考記事:「障害年金の種類について」

 

【例】 障害基礎年金の金額表

等級 年額 特徴
1級 1,039,625円 2級の1.25倍
2級 831,700円 定額支給

 

 

②  障害厚生年金

障害厚生年金は、厚生年金加入中に初診日のある方が対象で、金額が給与や勤続年数に比例して変わる仕組みなんですね。

1級〜3級までの区分があり、3級は厚生年金のみに存在する等級です。

たとえば、給料が30万円の方と45万円の方では、報酬比例部分に1.5倍の差が出るため、同じ等級でも受給額に大きな違いが生まれますね。

さらに厚生年金では「300月みなし」という制度もあり、加入期間が短い場合でも最低25年分として計算されるため、不利にならないよう調整されているんです。

☞参考記事:「障害基礎年金と障害厚生年金は両方もらえるのか?」

 

障害厚生年金の金額表

等級 受給額の仕組み 補足
1級 報酬比例 × 1.25 + 基礎年金 最も高額
2級 報酬比例 × 1.0 + 基礎年金 一般的に多い
3級 年額 623,800円(最低保障) 厚生のみの等級

 

 

③  子どもがいることでの加算

18歳年度末までの子どもがいる場合は「子の加算」がつき、家計の負担を軽減する仕組みが整えられていますね。

実際、第1子・第2子には年間239,300円、第3子以降には79,800円が加算されるため、育児中の家庭には心強い制度です。

ただ、子の加算がつくのは、障害基礎年金・障害厚生年金ともに、1~2級に認定された場合に限るのは注意ですね。

糖尿病の進行で働きにくくなった状況において、この加算は生活を支える大きな支柱になりますね。

 

【例】子の加算の金額表

子の人数 年額
第1子・第2子 各 239,300円
第3子以降 各 79,800円

 

④  配偶者加給年金

配偶者加給年金は、障害厚生年金の1級・2級に認定され、生計維持関係のある65歳未満の配偶者がいる場合に支給されますね。

金額は年間239,300円で、配偶者の年収が850万円未満であれば対象になりやすい仕組みです。

また、よくある質問として「妻が障害厚生年金を受給している場合は?」というものがありますが、この場合でも夫に加給年金がつくケースがあり、その点も押さえておくと安心ですね。

 

【例】配偶者加給年金の金額表

区分 年額 条件
配偶者加給 239,300円 厚生1〜2級、65歳未満、年収850万円未満

 

⑤  年金生活者支援給付金

所得が一定基準以下の場合、障害年金に加えて「年金生活者支援給付金」が支給される仕組みになっていますね。

金額は年度ごとに変動しますが、令和7年度水準では1級が6,813円/月、2級が5,450円/月です。

少額とはいえ年間で6〜8万円ほどになるため、家計の支えとして確実に受け取っておきたい制度ですね。

 

年金生活者支援給付金の金額表(令和7年度水準)

等級 月額 年額換算
1級 6,813円 約 81,756円
2級 5,450円 約 65,400円

 

 

2型糖尿病で障害年金がいくらになるかの前に、知るべき基礎知識

2型糖尿病で障害年金がいくらになるかの前に、知るべき基礎知識

 

2型糖尿病で障害年金がいくらになるかを判断するには、まず制度のしくみを理解しておくことが欠かせないんですね。

なぜなら、障害年金は「初診日」「保険料納付」「障害状態」という3つの条件がそろわないと受給できず、金額以前に“資格があるかどうか”が決まってしまうからです。

糖尿病は症状の進行がゆっくりで医療機関を転々とすることも多く、初診日の証明が取れず申請が止まるケースも少なくありません。

だからこそ、金額を知る前に基礎知識を押さえておくことで、確実な受給への第一歩が踏み出せます。

 

初診日・保険料納付・障害状態という3条件が重要になる

障害年金はこの3つが満たされてはじめて受給できる仕組みで、制度の公平性を守るために厳格に定められているんですね。

 

障害年金を受給するための基本条件

障害年金 受給条件

 

初診日が未加入の時期だった場合は、それだけで申請が成立しない可能性があるため、最重要ポイントとして扱われますね。

さらに、保険料納付要件が不足していると、症状が重くても受給できないことがあるため注意が必要です。

つまり、この3条件をクリアできるかどうかが、その後の金額を語る前の“入口”になるんですね。

☞参考記事:「障害年金の受給条件について」

 

糖尿病そのものより「合併症」の有無が金額に影響する

糖尿病は血糖値が高いだけでは障害年金の対象とはならず、合併症によって日常生活にどの程度困難が生じているかが評価されるんですね。

腎症による人工透析、網膜症による視力低下、神経障害による歩行障害などが代表的で、これらは等級に直結する大きな判断材料になりますね。

特に人工透析は原則2級、重度の視力障害の場合も2級となることが多いため、合併症の種類と重症度が金額に大きく直結します。

つまり、糖尿病は合併症との“セット評価”で金額が変わる病気なんですね。

 

 

人工透析・網膜症・神経障害などが等級に直結する

これらの合併症は、障害年金の審査基準で明確に数値化されているため、状態が一定のラインを超えると等級が確定しやすいんですね。

人工透析は生命維持に必須の治療であるため、透析開始時点で原則2級とされる特例が適用されますね。

網膜症では視力や視野の測定値、神経障害では歩行能力や感覚障害の程度などが審査対象として扱われます。

つまり、合併症の進行はそのまま等級と金額にリンクしている仕組みなんですね。

☞参考記事:「糖尿病・糖尿病性網膜症で障害年金をもらうためには?人口透析や合併症についても解説!」

 

2型糖尿病で障害年金がいくらなのかを左右する合併症と認定基準

2型糖尿病で障害年金がいくらなのかを左右する合併症と認定基準

 

2型糖尿病はさまざまな臓器に影響を及ぼすため、合併症の種類と進行具合がそのまま障害年金の金額を左右します。

人工透析、網膜症、神経障害などは特に進行しやすく、基準に明確な数値があるため認定もされやすい特徴がありますね。

また、複数の障害が同時に進むケースも多く、併合や総合認定によって等級が変化する可能性もあるんです。

ここからはそれぞれの合併症が金額にどう関わるのか、具体的に説明していきますね。

 

人工透析は原則2級とされ受給額が高くなる

人工透析は生命維持に必要な医療であり、週3回以上の通院治療が生活に大きな制限を与えるため、国が原則2級と定めています。

これにより、障害基礎年金に加え、厚生年金加入者であれば障害厚生年金が上乗せされるため、受給額は高くなりやすい特徴がありますね。

たとえば、透析を開始した会社員の方であれば、2級として基礎年金+厚生年金の2階建てで受給できます。

つまり、人工透析は2型糖尿病の中で最も障害年金につながりやすい状態なんですね。

☞参考記事:「障害年金認定方法や等級について」

 

▼ 人工透析と年金区分の表

状態 等級 理由
人工透析(透析開始後) 原則2級 日常生活制限が大きい

 

網膜症・神経障害・壊疽など部位別の診断書が必要になる

糖尿病は眼・神経・足など多くの部位に障害を出すため、認定基準も部位別に細かく定められているんですね。

視力障害は眼の診断書、歩行困難は肢体の診断書、壊疽による切断は別途肢体の障害基準で評価されますね。

それぞれの診断書には数値や所見が求められ、これが等級を決めるための重要な根拠になります。

つまり部位ごとに診断書をそろえないと、正確な等級判断ができない制度になっているんですね。

 

▼ 糖尿病合併症と必要診断書の表

合併症 審査基準 必要書類
糖尿病性網膜症 視力・視野 眼の障害用診断書
神経障害 歩行・感覚障害 肢体の障害用診断書
壊疽・切断 肢体の欠損 肢体の障害用診断書

 

 

併合認定・総合認定で障害等級が変動する

複数の合併症が同時に進行している場合、障害は単純に足し算されるのではなく、国の基準に従って併合認定・総合認定が行われるんですね。

たとえば視力障害が手当金相当、歩行障害も手当金相当の場合、組み合わせることで3級となるケースがあります。

内部疾患が複数ある場合は総合認定として体全体への影響を判断し、2級に上がることもあります。

つまり、複合的な障害は1つずつは軽度でも、合算することでより重く評価される仕組みということです。

 

▼ 併合・総合認定の仕組み表

認定方法 内容
併合認定 異なる部位の障害を組み合わせて評価 眼+足の障害で3級
総合認定 内部疾患の全体影響を総合評価 腎症+網膜症で2級

 

2型糖尿病で障害年金がいくらになるか。影響する申請実務のポイント

2型糖尿病で障害年金がいくらになるか。影響する申請実務のポイント

 

障害年金は症状だけでなく“書類の精度”が結果を大きく左右するため、申請の段階で注意するポイントを理解しておくことが重要なんですね。

特に初診日の証明、診断書の記載漏れ、働いている場合の状況説明などは、審査に直結するため気をつける必要がありますね。

この章では、実際に不支給になりやすいポイントを中心に、申請成功に向けた実務のコツを解説していきます。

 

 

初診日の証明が難しい理由と代替書類(紹介状など)が使える

糖尿病は長年かけて通院を繰り返すケースが多く、最初の医療機関が閉院していたりカルテが残っていなかったりすることが珍しくないんですね。

しかし紹介状や検査結果、他院のカルテ記載などから初診日を推定できれば、証明として認められる場合があります。

これは制度上「合理的な根拠」があれば初診日を認める仕組みがあるためで、諦めずに資料を集めることが重要です。

つまり、初診日の証明は“書類を探す根気”が結果を左右する項目なんですね。

☞参考記事:「障害年金請求の流れ」

 

▼ 初診日証明に使える資料の一覧表

書類 扱い コメント
受診状況等証明書 最優先 取れない場合あり
紹介状 代替証明として有効 多くのケースで活用
検査結果・レセプト 補強資料 日付確認に役立つ

 

診断書の書き漏れが受給額に影響するため確認が不可欠

診断書は審査の中心となる書類であり、1つの記入漏れが等級の決定に大きく影響するんですね。

医師は生活状況をすべて把握していないため、本人が伝える情報がそのまま診断書に反映される構造になっていますね。

実際、歩行の困難さや家事の制限が反映されておらず、本来2級相当なのに3級として扱われるケースもあります。

つまり、診断書は“提出前のチェック”が結果と金額を左右する最重要ポイントなんですね。

☞参考記事:「障害年金を受給するためのポイント」

 

▼ 診断書で抜けやすい項目表

項目 なぜ重要? 影響
日常生活能力 等級判断の中心 抜けると軽く評価される
発症日・診断日 初診日の裏付け 不備→審査保留
合併症の項目 金額に直結 書漏れ→減額リスク

 

仕事を続けながらでも受給できるケースもある

「働いていると年金はもらえない」と思っている方は多いですが、実際には働きながら受給している人もたくさんいるんですね。

特に人工透析の場合は、通院治療が必要で日常生活に大きな制限があるため、就労していても2級に認定されるケースが一般的です。

糖尿病そのもの(合併症とは別)の障害年金には、主に↓のような条件が必要になってきます。

「90日以上のインスリン治療を行っていること」 「Cペプチド値・重症低血糖・糖尿病ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群のいずれかが一定の程度であること」 「一般状態区分表(イまたはウ)に該当する程度の日常生活の制限があること」など、かなり限定された条件を満たす場合ですね。

☞参考記事:「障害年金2級は働いてはいけないのか」

 

 

▼ 【例】働きながら受給できるケース

状況 受給可能性 コメント
人工透析 高い 就労していても、透析の特例により2級相当となるケースが一般的
時短勤務 中程度 インスリン治療などにより日常生活・労働に制限があり、一般状態区分がイまたはウに該当する場合は、3級に認定されることがある
フルタイム+通院困難 あり得る

デスクワーク中心であっても、インスリン治療や低血糖等による配慮が必要で、認定基準を満たす場合には3級に認定されるケースがあります。

ただし、仕事内容や通院状況など個別事情により判断されるため一律ではない

 

ここで紹介した働きながら受給できるケースはあくまで一例であり、実際の認定はインスリン治療の状況、検査結果、低血糖や入院歴、日常生活の状態などを総合的に見て判断されます。

同じ働き方でも結果が異なることがありますので、具体的な可能性は専門家や年金事務所にご相談ください。

 

2型糖尿病で、障害年金を受け取る可能性を高めるための相談先と支援

2型糖尿病で、障害年金を受け取る可能性を高めるための相談先と支援

 

糖尿病の障害年金は書類も基準も複雑で、専門的な判断が求められるケースが多いため、専門家に相談することが結果に直結しやすいんですね。

特に合併症の多い方や初診日の証明が難しい方は、社労士のサポートによって受給率が大きく上がるケースもあるんです。

ここでは、なぜ相談することで受給の確率が高まるのかを具体的に説明しますね。

 

社労士に依頼することで受給可能性が高まる

社労士は障害年金の制度に精通しており、必要書類の選定や診断書のチェック、申立書の作成まで一括でサポートしてくれます。

これにより書類の不備が減り、審査側にスムーズに伝わる申請ができるため、受給率の向上につながりますね。

特に糖尿病は複数診断書が必要になるケースが多く、自己判断で進めると抜けが起きやすいのが実情です。

つまり、社労士は“受給のための専門ナビゲーター”なんですね

☞無料相談を行っていますのでお気軽にどうぞ^^

 

 

追加請求(併合)で年金額が増えるケースもある

すでに障害年金を受給している方でも、糖尿病が進行して新たな合併症が出た場合は“追加請求”ができるんですね。

これは、障害が増えた分を併合認定として新たに評価し直す仕組みがあるためで、結果として等級が上がり受給額が増えることがあります。

実際に、精神疾患で2級を受給中の方が糖尿病の合併症で追加請求し等級が改善された例もあります。

つまり、進行性の病気だからこそ、状態に合わせて年金額が変動する可能性があるんですね。

 

▼ 追加請求が有効なケース表

状態 追加請求の可能性
新たな合併症の発生 高い
既存障害の悪化 中程度
労働制限の増大 高い

 

専門家が書類の漏れを防ぎ、精神的負担を軽減できる

障害年金の申請は書類量が多く、記入方法も複雑で、体調が悪い中で自分ひとりで進めるのは大きな負担になるんですよね。

専門家が関わることで書類の準備から提出までサポートされるため、記載漏れを防ぎ安心して手続きを進められますね。

また、治療に専念しながら申請できることで、心身への負担も軽くなるメリットがあります。

つまり、相談することで「手続きの確実性」と「心の余裕」の両方を手に入れられるんですね。

 

【まとめ】糖尿病でもらえる障害年金はいくらかは、人によってかなり違ってくる

【まとめ】糖尿病でもらえる障害年金はいくらかは、人によってかなり違ってくる

 

2型糖尿病で障害年金がいくらになるかは、症状の進行度、合併症の種類、加入している年金制度、家族構成といった多くの要素で決まるんですね。

人工透析・網膜症・神経障害などが進むと等級が上がり、結果として受給額も大きく変わります。

また、申請の精度によっても結果が左右されるため、必要に応じて専門家の助言を得ることで、より確実な受給につながるんですね。

ここで紹介した働きながら受給できるケースはあくまで一例であり、実際の認定はインスリン治療の状況、検査結果、低血糖や入院歴、日常生活の状態などを総合的に見て判断されます。

同じ働き方でも結果が異なることがありますので、具体的な可能性は専門家や年金事務所にご相談ください。

最終更新日 3日 ago

投稿者プロフィール

但馬 彰
但馬 彰Ray社労士オフィス 代表 社会保険労務士
私には身体障害者手帳と療育手帳を持つ子どもがおり、障害者手帳を受け取った際の悩みや不安、孤独感を今でも鮮明に覚えています。
複雑な日本の社会保障制度の中でも、特に専門性を必要とするのが障害年金です。

この経験と社会保険労務士としての知識や経験を活かし、「同じ悩みを抱える方々の一筋の光となりたい」という強い想いのもと、Ray社労士オフィスを立ち上げました。

障害年金申請のサポートはもちろん、皆様の言葉に耳を傾け、心配事や将来の不安を解消し、安心して暮らせる明日を築くお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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