障害年金受給者が法定免除を受けるデメリットは何がある?

「障害年金を受け取っていると国民年金は払わなくていいの?」と、不安を抱える方は少なくありません。

負担を減らしたい気持ちは強いのに、制度が複雑で判断に迷ってしまう場面も多いはずです。

しかも、免除にはメリットと同時に見落としやすいデメリットも潜んでいるため、誤解したまま選ぶと将来困る可能性もありますね。

そこで今回は、法定免除の仕組みと注意点を整理し、迷わず選べるようにポイントをご紹介します。

 

 

そもそも国民年金の法定免除とは

そもそも国民年金の法定免除とは

 

国民年金の法定免除とは、負担を軽くしつつ年金制度から外れないようにする役割があり、生活の安定を支える重要な制度と言えます。

免除期間は未納ではなく「半分納めた扱い」として計算されるため、将来の老齢基礎年金に影響することも理解しておく必要がありますね。

制度の特徴を押さえておくことで、損をしない年金計画が立てられるようになります。

☞参考HP:日本年金機構「国民年金保険料の法定免除制度」

 

 

対象者は、障害年金1級・2級受給者や生活ほど受給者など

法定免除の対象は、障害年金1級・2級の受給者や生活保護受給者など、経済的に負担が重い状況の人たちですね。

この制度がある理由は、納付が難しい状態にある人を年金制度から排除せず、将来の年金受給資格を守るためです。

具体例として、障害年金を受け始めた人は「自動的に免除される」わけではなく、自治体へ届け出を行うことで法定免除が適用されますね。

 

免除は、障害年金の受給権を取得した月の前月分から

法定免除は、障害年金の受給権を取得した月の前月分から適用される仕組みですね。

その理由は、障害の状態が遡って認定される場合にも公平な扱いをするためであり、制度全体の整合性を保つ意味があります。

たとえば審査待ちの間に国民年金を支払っていた場合、認定後に「払いすぎた分」が還付されるケースもありますね。

免除開始のタイミングを知っておくことで、支払いの過不足に惑わされずに済みます。

 

障害年金で法定免除を行うデメリットは「将来の年金額が下がる」こと

障害年金で法定免除を行うデメリットは「将来の年金額が下がる」こと

 

障害年金の受給者が法定免除を選ぶと、もっとも大きな影響は「老齢基礎年金の金額が減る」ことです。

なぜなら、法定免除は保険料を納めなくても済む制度ですが、評価としては「保険料を半額だけ納めている」と扱われるため、将来の年金額にダイレクトに跳ね返ってくるからですね。

「今は払えないし助かるけれど、老後に困らない?」という不安は、大きい抱きやすい悩みになります。

 

保険料は未納扱いになるわけではない

法定免除は、障害年金受給者や生活困窮者を救済するための仕組みで、適用されても未納扱いにはなりません。

未納と免除は全く別で、未納は「払う義務があるのに払わなかった」扱いですが、免除は「払わなくてもよいと国が認めた」扱いになる点が大きな違いですね。

この制度があることで、困難な状況にある人が国民年金から排除されずに済む背景がありますね。

ただし、未納ではないものの、将来の年金額が下がる根拠になるのもこの仕組みですので注意が必要ですね。

 

 

老齢基礎年金の受給額は、平成21年以降ならば約2分の1計算

法定免除を受けた期間が、平成21年3月以前の場合は1カ月を3分の1、平成21年4月以降の場合は1カ月を2分の1で計算します。

本来の保険料を満額納めていた場合と比べて評価が半分になるため、受給額もその分だけ下がる仕組みなんですね。

年金額は長期間分の積み重ねで決まるため、数年の免除でもトータルで見ると差額が大きくなるのが実情です。

これを知らずに免除を続けると「え、こんなに少ないの?」という老後のギャップが生まれやすいですね。

 

収入が安定したら「追納」をするのもおすすめ

収入が安定しても、免除期間を追納しないままでいると、老後の年金額はそのまま目減りしますね。

追納は制度上10年まで可能ですが、その期間を過ぎると取り返しがつかないため、気づいた時には差額が大きく広がっていることもあります。

特に働き始めた直後は優先順位が高くないため「まあ後でいいか」となりがちですが、その判断が老後生活に直結しますね。

将来の自己責任という言葉では片付けにくい現実があるため、慎重な判断が求められる点です。

 

障害年金での法定免除のデメリットとして「追納負担の重さ」も含まれる

障害年金での法定免除のデメリットとして「追納負担の重さ」も含まれる

 

法定免除は助かる制度ですが、後から追納しようとすると一気に負担が重くなる点も大きなデメリットですね。

追納を選んだ場合、免除されていた期間の保険料をそのまま支払うことになるため、一時的に大きな財政負担が発生してしまうんです。

「追納できれば安心だけど、まとまったお金を準備できない」という悩みを抱える人は少なくありませんね。

この負担感も、免除を受けるかどうかの判断に大きく影響しますね。

 

追納できる期間は10年、3年過ぎると保険料が加算される

追納できる期間は原則10年ですが、3年を過ぎると保険料に加算金が上乗せされますね。

 

追納保険料についてのイメージ図

障害年金 追納保険料について※参考:日本年金機構「国民年金機構の追納制度」

 

この加算金は、物価や過去の未納リスクを調整するための仕組みで、時間が経つほど負担が重くなる特徴があります。

そのため「落ち着いたら払おう」は合理的に見えて、実は損をする可能性もあります。

 

 

追納できなかった場合の老後設計も考えておく方が良い

追納ができなかった場合、免除期間がそのまま年金額の減額要素として残り続けますね。

老齢基礎年金は生活費の基盤となる制度であり、その金額が減れば家計に直結する負担が増えます。

「どうやって生活を組み立てればいいのか?」という不安が老後になってからでは少し遅いです。

だからこそ、追納できるかどうかの判断は、今から考えておく必要があるんですね。

☞無料相談を行ってますので、良ければご相談ください^^

 

 

 

 

【まとめ】障害年金の法定免除の主なデメリットは「将来の年金額が減る」

【まとめ】障害年金の法定免除の主なデメリットは「将来の年金額が減る」

 

障害年金受給者の法定免除は大きな助けになりますが、将来の年金額が減るという確かなデメリットがありますね。

↓の表が法定免除の仕組み、そして追納の概要となります。

表:法定免除と追納の比較

項目 法定免除 追納
月額負担 0円 過去分をまとめて支払い
評価 半額納付扱い 全額納付扱いに復元
老齢基礎年金への影響 減額される 減額が回避できる
期限 申請期間による 原則10年(3年超で加算金)

 

追納や一部免除などの選択肢を理解し、今の生活と老後のバランスを見ながら決めることが大切です。

自分に合った納付方法を選ぶことで、安心できる将来に近づけるはずですね。

最終更新日 4日 ago

投稿者プロフィール

但馬 彰
但馬 彰Ray社労士オフィス 代表 社会保険労務士
私には身体障害者手帳と療育手帳を持つ子どもがおり、障害者手帳を受け取った際の悩みや不安、孤独感を今でも鮮明に覚えています。
複雑な日本の社会保障制度の中でも、特に専門性を必要とするのが障害年金です。

この経験と社会保険労務士としての知識や経験を活かし、「同じ悩みを抱える方々の一筋の光となりたい」という強い想いのもと、Ray社労士オフィスを立ち上げました。

障害年金申請のサポートはもちろん、皆様の言葉に耳を傾け、心配事や将来の不安を解消し、安心して暮らせる明日を築くお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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