1型糖尿病でもらえる障害年金っていくらになるのか?

1型糖尿病と診断され、「障害年金は受け取れるの?」「実際いくらもらえるの?」と疑問を持つ人は多いんです。

インスリン治療が必要な慢性疾患であるため、日常生活や仕事に影響が出るケースも少なくありません。

しかし、障害年金は制度が複雑で、条件や金額が分かりにくい制度でもあります。

「自分は対象なのか」「いくら受給できるのか」と悩む人も多いのが現実です。

この記事では、1型糖尿病の障害年金はいくらになるのか、受給額の目安や条件、金額が変わるポイントを分かりやすく解説していきます。

 

 

1型糖尿病でもらえる障害年金はいくらかを解説

1型糖尿病でもらえる障害年金はいくらかを解説

結論から言うと、1型糖尿病でも条件を満たせば障害年金の受給は可能で、金額は障害等級と加入していた年金制度によって決まります。

日本の障害年金制度は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分かれており、加入していた制度によって受給額が大きく変わる仕組みです。

例えば、自営業や学生など国民年金のみ加入していた人は「障害基礎年金」が対象になります。

一方で会社員や公務員だった場合は「障害厚生年金」が追加され、受給額が増える可能性があります。

 

等級によって、障害年金受給額は変わる

1型糖尿病の障害年金は、症状の重さや日常生活への影響によって等級が決まります。

そして、決まった等級により、障害年金の受給額は変わります。

 

障害年金の等級によってもらえる年金イメージ

障害年金 階層構造

 

例えば、「2級」と診断されれば、「障害基礎年金+障害厚生年金」がもらえますし、「3級」ならば「障害厚生年金のみ」になります。

これを踏まえたうえで、受給額の計算をしていく必要があります。

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障害基礎年金は2級以上で「年額84万円以上」

障害基礎年金の受給額は、2級以上の場合に受給でき、年額84万円以上となります。

これは障害基礎年金が国民年金制度の一部であり、給与額に応じて金額が変わる仕組みではなく、全国一律の定額制度として設計されているためです。

 

障害基礎年金の受給額【令和8年度】

障害等級 年額 月額
1級 1,059,125円 88,260円
2級 847,300円 70,608円

※参考:厚生労働省「令和8年度の年金改定額について」

 

また、18歳年度末までの子どもがいる場合には「子の加算」が支給されるため、実際の受給額はさらに増える可能性があります。

そのため、自営業者や学生など国民年金のみ加入している人は、この障害基礎年金が主な給付の土台になるとも言えます。

ちなみに、令和8年度が振り込まれるのは6月の振込分(4・5月分)からとなります。

 

障害厚生年金の受給額は、等級と給与額などによって決定する

会社員や公務員として厚生年金に加入していた人の場合、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が支給される可能性があります。

障害厚生年金は「報酬比例方式」で計算される仕組みのため、給与額や厚生年金の加入期間によって受給額が変わります。

そのため、同じ障害等級であっても「○級だから○円」と一律に決まるわけではありません。

例えば平均標準報酬額が高く、会社員として長期間働いていた人ほど、計算される年金額は多くなる傾向があります。

また、障害厚生年金は3級でも受給対象になる点が大きな特徴です。

なお、1級と2級の場合は障害厚生年金だけでなく、障害基礎年金(子の加算を含む)もあわせて支給されます。

一方で3級は報酬比例部分のみの支給となり、極端に低額にならないよう最低保障額が設けられています。

 

障害厚生年金の金額表【令和8年度】

障害等級 金額の仕組み
1級 障害基礎年金(1,059,125円+子の加算)+報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金
2級 障害基礎年金(847,300円+子の加算)+報酬比例の年金+配偶者加給年金
3級 報酬比例の年金(最低保障635,500円/年)
障害手当金 報酬比例の年金の2年分(最低保障1,271,000円)※一時金

 

 

1型糖尿病で障害年金がいくらになるか決定するための受給条件

1型糖尿病で障害年金がいくらになるか決定するための受給条件

結論として、1型糖尿病で障害年金を受給するにはいくつかの条件を満たす必要があります。

なぜなら、日本の障害年金制度では病名だけで判断されるのではなく、制度上の要件を満たしているかどうかが審査されるためです。

具体的には「初診日」「保険料納付要件」「障害状態」の3つが大きなポイントになります。

これらを満たしていなければ、症状が重くても受給できない可能性があるため注意が必要です。

☞参考記事:「障害年金請求時の注意点について」

 

「日常生活への影響」が基準となる

結論として、1型糖尿病で障害年金が認定されるかどうかは日常生活への影響が基準になります。

理由は、障害年金制度が「生活能力の低下」を評価する制度だからです。

例えば、インスリン注射を行っていても血糖コントロールが困難で、低血糖発作が頻繁に起こる場合などは審査対象になります。

また、合併症がある場合は障害等級が上がる可能性もあります。

つまり診断名だけでなく、生活への支障の程度が重要な判断基準になります。

さらに1型糖尿病では、血液検査の数値や低血糖発作の頻度なども判断材料になる場合があります。

代表的な基準の例は次のとおりです。

1型糖尿病の主な判断基準

判断項目 基準の目安 内容
Cペプチド値 0.3ng/mL未満 内因性インスリン分泌がほぼ枯渇している状態
重症低血糖 月1回以上 意識障害などで自己回復ができない低血糖
ケトアシドーシス等 年1回以上入院 糖尿病ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群など

 

このように、1型糖尿病の障害年金では検査数値・発作の頻度・日常生活への支障などを総合的に判断して等級が認定されます。

☞参考記事:「障害年金の受給要件について」

 

障害年金を受給する際の、ポイントなど

判断ポイント 内容 日常生活の具体例
基準となる考え方 障害年金は「日常生活への影響」を基準に審査される 血糖管理のため日常的に強い制限がある
評価される理由 制度の目的が「生活能力の低下」を評価する仕組みだから 生活や仕事に支障があるかどうかが重視される
審査の具体例 血糖コントロールが困難で低血糖発作などがある 外出中に低血糖で動けなくなることがある
等級に影響する要素 糖尿病の合併症 視力低下、透析、手足のしびれなど
重要な判断基準 病名ではなく生活への支障の程度 就労継続が難しい、家事が困難など

 

障害年金の「初診日」も重要

障害年金では初診日が制度を決める重要なポイントになります。

初診日とは、病気で初めて医療機関を受診した日のことを指します。

例えば学生時代に発症していれば国民年金、会社員になってから発症していれば厚生年金が適用されます。

つまり、この日によって受給できる年金の種類が決まる仕組みです。

そのため、診察記録やカルテなどで初診日を証明することが重要になります。

☞参考記事:「障害年金を受給するためのポイントについて」

 

「保険料納付要件」を満たしているか

障害年金を受給するためには、保険料を一定期間納めている必要があります。

これは年金制度を支える仕組みとして定められているルールです。

 

障害年金の保険料納付要件

確認ポイント 内容
制度の基本ルール 障害年金を受給するには、一定期間の年金保険料を納めている必要がある
基本条件 初診日の前日時点で「加入期間の3分の2以上の保険料を納付している」こと
特例条件 直近1年間に保険料の未納がない場合は条件を満たす可能性がある
注意点 未納期間が多い場合は、障害状態でも受給できないケースがある
重要ポイント 申請前に年金事務所などで納付状況を確認しておくことが大切

 

具体的には、初診日の前日時点で「加入期間の3分の2以上の保険料を納付している」ことが基本条件になります。

または、直近1年間に未納がない場合も条件を満たす可能性があります。

未納が多い場合は受給できないケースもあるため、事前確認が重要です。

 

1型糖尿病だと障害年金がいくら増えるのか、受給額に影響するポイント

1型糖尿病だと障害年金がいくら増えるのか、受給額に影響するポイント

結論として、障害年金の金額は家族構成や加入歴などによって増減します。

理由は、年金制度に「加算制度」や「報酬比例制度」が存在するためです。

そのため同じ1型糖尿病でも、人によって受給額が大きく違うケースがあります。

ここでは、年金額に影響する主なポイントを解説します。

☞参考記事:「障害年金の認定方法や等級について」

 

子供がいる場合、障害基礎年金が加算される

障害基礎年金には、生計を維持している子どもがいる場合に年金額が加算される制度があります。

この制度は、障害のある人が子どもを養育している家庭の生活を支える目的で設けられています。

対象となるのは、原則として18歳到達年度末(高校卒業の年度末)までの子どもです。

また、子ども自身に障害があり障害等級1級または2級に該当する場合は、20歳の誕生日の前々日まで加算が延長されることがあります。

※ただし、3級には家族の加算はつかないので、注意が必要です。

 

子供がいる場合の加算額について【令和8年度】

子どもの人数 年額 月額
1人目・2人目 243,800円 20,316円
3人目以降 81,300円 6,775円

 

 

厚生年金加入期間が長いと、障害厚生年金の受給が増える

厚生年金に長く加入していた場合、障害厚生年金の金額は高くなります。

理由は、給与額と加入期間をもとに年金額が計算される「報酬比例制度」が採用されているためですね。

例えば20年以上会社員として働いていた場合、障害基礎年金に加えて厚生年金が上乗せされます。

その結果、年間100万円〜200万円程度の年金になるケースもあります。

つまり会社員歴が長いほど、受給額が増える傾向があります。

 

合併症がある場合、等級に影響する

結論として、糖尿病の合併症が進行している場合は障害等級の判断に影響する可能性があります。

その理由は、糖尿病が単なる血糖値の問題ではなく、長期間続くことで全身の血管や神経にダメージを与える病気だからです。

血糖コントロールが難しい状態が続くと、目・腎臓・神経などさまざまな臓器に障害が生じることがあります。

例えば視力が低下する糖尿病網膜症や、透析が必要になる糖尿病腎症、手足のしびれや感覚障害が起こる糖尿病神経障害などが代表的です。

これらの症状によって日常生活や就労に支障が出ている場合、障害年金の審査で評価されることがあります。

つまり、1型糖尿病の障害年金では血糖値だけでなく、合併症によって生活能力がどの程度低下しているかが重要な判断材料になります。

 

糖尿病の主な合併症と、生活への影響

合併症 主な症状 日常生活への影響例
糖尿病網膜症 視力低下、視野欠損、失明のリスク 文字が読みにくい、車の運転が困難
糖尿病腎症 腎機能低下、むくみ、人工透析 透析治療で通院が必要、就労が困難
糖尿病神経障害 手足のしびれ、痛み、感覚低下 長時間歩行が難しい、転倒しやすい

 

 

1型糖尿病で、障害年金の申請をするときの申請ポイント

1型糖尿病で、障害年金の申請をするときの申請ポイント

 

障害年金は申請書類の内容によって結果が大きく変わる制度です。

理由は、審査が書類中心で行われるため、症状や生活状況を正確に伝える必要があるからです。

書類の内容が不足していると、本来受給できる状態でも不支給になるケースがあります。

そのため、申請準備を丁寧に進めることが重要です。

 

社労士に相談する

障害年金の申請では、社会保険労務士に相談する人も増えています。

理由は、制度が複雑で書類作成の難易度が高いためです。

社労士は申請書類の作成サポートや受給可能性の判断などを行う専門家です。

そのため、初めて申請する人にとっては心強い存在になることがあります。

特に症状が複雑な場合は、専門家のサポートを検討するのも一つの方法です。

☞LINEで無料相談も行っていますので、お気軽にどうぞ^^

 

社労士に相談するメリット概要表

メリット 内容
制度を分かりやすく説明してもらえる 障害年金は制度が複雑なため、受給条件や手続きの流れを専門家から説明してもらえる
受給できる可能性を判断してもらえる 病状や生活状況をもとに、障害年金の対象になるかを事前に確認できる
書類作成をサポートしてもらえる 診断書の確認や申立書の作成など、審査で重要になる書類の作成を支援してもらえる
手続きの負担を減らせる 年金事務所とのやり取りや書類準備をサポートしてもらえるため、申請者の負担が軽減される
複雑なケースにも対応できる 合併症がある場合や初診日の証明が難しい場合などでも適切なアドバイスを受けられる

 

 

診断書の内容が審査に与える

障害年金の審査で最も重要なのが医師が作成する診断書です。

診断書には、症状や治療内容、日常生活能力などが記載されます。

例えば、血糖値の管理状況や低血糖発作の頻度などが詳細に記載されていると、審査での評価が明確になります。

反対に記載が不足していると、症状が正しく伝わらない可能性があります。

そのため、医師に生活状況をしっかり伝えることが大切です。

☞参考記事:「障害年金に必要な書類について」

 

 

【まとめ】1型糖尿病で障害年金がいくらになるかは、結局等級で決定する

【まとめ】1型糖尿病で障害年金がいくらになるかは、結局等級で決定する

1型糖尿病で、障害年金の受給額は等級によって決定されます。

受給額は障害等級、加入していた年金制度、家族構成などによって変わるのが特徴ですね。

国民年金のみの場合は年間約79万円前後、厚生年金がある場合はそれ以上になるケースもあります。

ただし、障害年金は申請しなければ受給できない制度です。

制度の仕組みを理解し、自分が対象になる可能性があるか確認することが大切です。

最終更新日 1週間 ago

投稿者プロフィール

但馬 彰
但馬 彰Ray社労士オフィス 代表 社会保険労務士
私には身体障害者手帳と療育手帳を持つ子どもがおり、障害者手帳を受け取った際の悩みや不安、孤独感を今でも鮮明に覚えています。
複雑な日本の社会保障制度の中でも、特に専門性を必要とするのが障害年金です。

この経験と社会保険労務士としての知識や経験を活かし、「同じ悩みを抱える方々の一筋の光となりたい」という強い想いのもと、Ray社労士オフィスを立ち上げました。

障害年金申請のサポートはもちろん、皆様の言葉に耳を傾け、心配事や将来の不安を解消し、安心して暮らせる明日を築くお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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