医者に障害年金は難しいと言われたが、本当にそうなのか?

障害年金について主治医へ相談した際に、「障害年金の受給は難しいかもしれません」と言われ、不安を感じた方もいるのではないでしょうか。

医師からそのように伝えられると、「申請しても意味がないのではないか」と考えてしまうこともあります。

しかし、医師が難しいと判断した場合でも、障害年金を受給できる可能性が残されているケースは少なくありません。

この記事では、医師が「難しい」と伝える理由や、受給できる可能性があるケース、申請前に確認すべきポイントについて、障害年金制度に基づいて詳しく解説します。

 

 

医者から「障害年金は難しい」と言われたとしても、諦める必要はない

医者から「障害年金は難しい」と言われたとしても、諦める必要はない

 

医師から「障害年金は難しい」と言われても、その言葉だけで受給できないと判断する必要はありません。

障害年金は、医師の見解だけでなく、障害認定基準や提出書類を総合的に審査して認定される制度です。

そのため、医師が難しいと考えていた場合でも、実際には障害年金が認定される事例があります。

まずは、医師がそのように伝える背景を理解し、制度の仕組みを正しく把握することが大切です。

 

医師が障害年金制度に詳しいとは限らない

医師から障害年金は難しいと言われても、その判断が制度上の結論になるわけではありません。

医師は病気や障害の診療を専門としていますが、障害年金制度や障害認定基準を専門としているわけではないためです。

例えば、病状が改善傾向にあることを理由に「難しい」と説明されることがあります。

一方で、障害年金では病名だけではなく、日常生活能力や就労状況なども総合的に評価されます。

そのため、医師の見解と実際の審査結果が異なるケースは珍しくありません。

医師から難しいと言われた場合でも、制度上の要件を確認したうえで申請を検討することが重要ですね。

☞参考記事:「障害年金を受給するためのポイントについて」

 

診断書の基準と年金の認定基準は異なる

障害年金では、診断書だけで受給の可否が決まるわけではありません。

認定では、診断書に加えて病歴・就労状況等申立書や初診日の証明、保険料納付要件なども含めて総合的に審査されます。

例えば、同じ病名であっても、日常生活への支障が大きい方と比較的自立して生活できる方では、認定結果が異なることがあります。

また、診断書に実際の生活状況が十分反映されていない場合、本来の障害状態が審査側へ正確に伝わらない可能性があります。

そのため、診断書は重要な資料ですが、それだけで結果が決まるものではありません。

制度全体を理解したうえで必要書類を準備することが大切です。

 

診断書と障害年金での認定基準の違い

項目 診断書 障害年金の認定基準
判断する人 主治医 日本年金機構・年金事務所(認定医による審査を含む)
主な目的 病状や治療経過を医学的に証明する 障害年金の受給要件を満たすか判断する
評価の対象 症状・検査結果・診察内容 症状に加え、日常生活能力・就労状況・提出書類全体
判断材料 診断書の内容 診断書、病歴・就労状況等申立書、初診日、保険料納付要件など
病名だけで決まるか 病状を中心に評価する 病名だけでは決まらず、生活への影響を総合的に評価する

 

「難しい」と言われても申請できるケースは少なくない

医師から難しいと言われた場合でも、実際に障害年金を受給している方はいます。

その理由は、障害年金の認定が医師の一言ではなく、提出された資料全体を基に判断されるためです。

例えば、病歴・就労状況等申立書で日常生活の困難さや就労への影響を具体的に説明することで、障害の実態が適切に伝わる場合があります。

また、日頃から生活の実態を医師に正しく伝えておくことで、障害状態がより正確に把握されるケースもあります。

そのため、「難しい」と言われたからといって申請を諦めるのではなく、受給要件を確認したうえで準備を進めることが重要です。

※実際に、主治医から『働き続けているから・前年の収入が大きいから対象にならない』と否定的な見解を伝えられたものの、当事務所のサポートにより受給が認められた↓の事例もあります。ぜひこちらも参考にしてください。

☞参考記事:「【統合失調症】主治医の誤解と初診日証明の壁を越え、LINEのみのやり取りで障害基礎年金2級を受給できた事例(石川県)」

 

医師から「難しい」と言われる主な理由

理由 内容
制度への理解 医師は診療の専門家であり、障害年金制度の認定基準に詳しいとは限らない。
診断書と認定基準の違い 診断書だけではなく、申立書や日常生活能力なども総合的に審査される。
慎重な説明 期待を持たせないため、厳しめの見解を示す医師もいる。
情報不足 診断書に生活状況や就労状況が十分反映されていない場合がある。

 

障害年金は難しいと言われた場合でも、受給できる可能性があるケース

障害年金は難しいと言われた場合でも、受給できる可能性があるケース

 

医師から「障害年金は難しい」と言われた場合でも、受給できる可能性があるケースは少なくありません。

障害年金は、診断書だけではなく、障害認定基準や提出書類を総合的に審査して認定されます。

そのため、医師の見解と最終的な認定結果が異なることもあります。

ここでは、受給につながる可能性がある代表的なケースについて解説します。

 

実際の生活状況が診断書に正確に反映されることが重要

障害年金の認定では、診断書の内容が重要な判断材料となります。

同じ病名であっても、日常生活や就労への影響が具体的に記載されているかどうかによって、適切な審査につながります。

例えば、食事や入浴、金銭管理、服薬管理などに家族の援助が必要な状況は、日頃の診察でありのまま医師に伝えておくことが大切です。

また、症状の経過や治療状況が具体的に記載されている診断書は、障害の実態が伝わりやすくなります。

診断書を作成する際は、普段の生活状況を医師へ正確に伝えることが大切です。

 

診断書で確認される主な項目

診断書に記載される項目 記載される内容の例 認定で確認されるポイント
日常生活能力 食事・入浴・着替え・掃除・買い物などを一人で行えるか 日常生活への支障の程度
服薬管理 薬を自分で管理できるか、家族の援助が必要か 継続的な支援の必要性
金銭管理 公共料金の支払いや買い物を一人で行えるか 判断能力や社会生活への影響
通院状況 一人で通院できるか、付き添いが必要か 自立した行動が可能か
就労状況 勤務日数・仕事内容・配慮の有無・休職状況 就労能力や労働への支障
対人関係 職場や家族とのコミュニケーション状況 社会生活への影響
症状の経過 発症から現在までの治療経過や症状の変化 障害状態が継続しているか
医師の所見 現在の病状や今後の見通し 障害の全体像を把握するための参考資料

 

日常生活能力の評価が認定に大きく影響する

 

障害年金では、病名だけではなく、日常生活能力が重視されます。

障害認定基準では、日常生活にどの程度支障が生じているかを総合的に判断するためです。

例えば、一人で外出できない、家事がほとんどできない、人とのコミュニケーションに著しい支障があるといった状況は、認定において重要な判断材料となります。

精神疾患だけではなく、身体障害や内部障害についても、生活への支障の程度が評価されます。

そのため、自分では当たり前と思っている生活上の困りごとも、申請時には具体的に整理しておくことが重要です。

☞参考記事:「障害年金の受給要件について」

 

不支給になった場合でも再請求や審査請求は可能

一度不支給となった場合でも、それで終わりではありません。

障害年金には、審査請求や再請求などの制度が設けられています。

例えば、新たな医療資料が追加された場合や、障害状態が変化した場合には、再度申請を行うことで認定されるケースがあります。

また、不支給の理由を確認し、不足していた資料を補うことで結果が変わる可能性もあります。

不支給通知を受け取った場合でも、内容を十分に確認し、今後の対応を検討することが大切です。

☞参考記事:「障害年金の不服申し立てとは何か?方法や流れを解説!」

☞もしお困りでしたら、無料で相談も承っております^^

 

受給できる可能性がある主なケース

ケース ポイント
診断書が適切に作成された 生活状況や症状が認定基準に沿って記載されている。
日常生活への支障が大きい 家事や外出、対人関係などに継続的な支障がある。
申立書で実態を具体的に説明した 診断書では伝わらない生活状況を補足できる。
不支給後に再請求した 新たな資料や症状の変化により認定されることがある。

 

「障害年金は難しいのでは」と言われたときに取るべき対応

「障害年金は難しいのでは」と言われたときに取るべき対応

 

医師から「障害年金は難しい」と言われた場合でも、すぐに申請を諦める必要はありません。

まずは、認定基準に照らして現在の状況を整理し、必要な資料を準備することが重要です。

適切な対応を行うことで、障害の実態を審査機関へ正確に伝えられる可能性があります。

次に、具体的に取るべき対応について解説します。

 

主治医へ普段の生活の困りごとを具体的に伝える

障害年金を申請する際は、主治医へご自宅でのリアルな生活状況を主治医へ伝えることが大切です

医師は診療の専門家ですが、障害年金制度の認定基準まで詳しく把握しているとは限りません。

そのため、具体的に伝えることで、医師に実態を正しく把握してもらいやすくなります。

例えば、「一人で買い物へ行けない」「服薬管理を家族に任せている」「疲労が強く家事が継続できない」といった状況は、日常生活能力を判断するうえで参考となる情報です。

診察時には遠慮せず、実際の生活状況を具体的に伝えることが重要です。

☞参考記事:「障害年金請求時の注意点について」

 

病歴・就労状況等申立書を丁寧に作成する

病歴・就労状況等申込書

病歴・就労状況等申立書は、障害の実態を伝える重要な書類です。

診断書だけでは伝わりにくい生活状況や就労状況を補足する役割があります。

例えば、発症から現在までの経過、治療内容、仕事を続けられなくなった理由、家族から受けている支援などを時系列で整理すると、障害の状態が伝わりやすくなります。

抽象的な表現ではなく、日常生活で実際に困っている内容を具体的に記載することが大切です。

丁寧に作成された申立書は、障害の実態を理解してもらうための重要な資料になります。

☞参考記事:日本年金機構「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」

 

 

社会保険労務士へ相談するメリットと注意点

障害年金の申請に不安がある場合は、社会保険労務士へ相談する方法もあります。

障害年金を取り扱う社会保険労務士は、制度や必要書類について専門的な知識を有しているためです。

例えば、初診日の整理や必要書類の確認、申立書の作成に関する助言を受けられる場合があります。

一方で、依頼内容や報酬体系は事務所によって異なるため、事前に費用や対応範囲を確認することが大切です。

相談先を選ぶ際は、障害年金の取扱実績や説明内容を十分に確認したうえで判断しましょう。

☞参考事例:「【発達障害と知的障害で障害基礎年金2級】20代女性が年額83万円・初回420万円を受給できた実例(石川県金沢市)」

☞参考事例:「【双極性障害Ⅱ型で障害厚生年金2級に認定】休職中の30代男性が年額約180万円を受給できた事例」

 

 

障害年金は難しいかも」と言われた人が申請前に確認したいポイント

「障害年金は難しいかも」と言われた人が申請前に確認したいポイント

 

医師から「障害年金は難しい」と言われた場合でも、申請前に確認すべきポイントがあります。

障害年金は、障害の状態だけでなく、初診日や保険料納付要件など、複数の要件を満たすことで受給の可否が判断されます。

あらかじめ確認しておくことで、手続きを円滑に進めやすくなります。

ここでは、申請前に確認したい主なポイントを解説します。

 

初診日を証明できるか確認する

障害年金では、初診日の確認が重要です。

初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医療機関を受診した日のことを指します。

障害年金の請求では、この初診日を基準として加入していた年金制度や保険料納付要件が判断されます。

例えば、受診した医療機関の受診状況等証明書やカルテなどが、初診日を証明する資料として用いられます。

初診日を証明する資料が不足している場合は、ほかの資料で補完できるケースもあるため、早めに確認することが大切です。

☞参考記事:「障害年金での必要な書類等について」

 

保険料納付要件を満たしているか確認する

 

障害年金を受給するためには、保険料納付要件を満たしている必要があります。

保険料納付要件とは、一定期間、年金保険料を納付または免除されていることを求める制度上の要件です。

この要件を満たしていない場合は、障害の状態が認定基準に該当していても、障害年金を受給できないことがあります。

保険料の納付状況は、年金事務所や「ねんきんネット」などで確認できます。

申請前に納付状況を確認し、不明な点がある場合は年金事務所へ相談することが大切です。

※補足:初診日が20歳前にある場合(20歳前傷病)は、そもそも年金保険料を納付する義務がない年齢のため、『保険料納付要件』は問われません。

 

自分の障害等級に該当する可能性を把握する

障害年金では、障害認定基準に基づいて障害等級が判断されます。

障害等級は、病名だけで決まるものではなく、日常生活や就労への支障の程度などを総合的に評価して決定されます。

例えば、同じ病気であっても、症状の程度や生活への影響が異なれば、認定結果も変わる可能性があります。

また、障害等級は診断書の内容や提出資料を基に審査されるため、実際の生活状況を正確に伝えることが重要です。

認定基準を事前に確認し、自身の状況を整理しておくことで、申請準備を進めやすくなります。

 

【まとめ】障害年金は難しいと言われても、もう無理だとあきらめる必要はない

【まとめ】障害年金は難しいと言われても、もう無理だとあきらめる必要はない

 

医師から「障害年金は難しい」と言われた場合でも、その言葉だけで受給できないと判断する必要はありません。

障害年金は、診断書だけではなく、障害認定基準や病歴・就労状況等申立書、初診日、保険料納付要件などを総合的に審査して認定されます。

そのため、医師の見解と審査結果が異なるケースもあります。

申請を検討している場合は、現在の生活状況や就労状況を整理し、必要書類を適切に準備することが重要です。

また、不明な点がある場合は、年金事務所や障害年金に対応している社会保険労務士へ相談することも一つの方法です。

制度を正しく理解し、要件を確認したうえで申請手続きを進めることで、ご自身の状況に応じた適切な判断につながります。

最終更新日 1週間 ago

投稿者プロフィール

但馬 彰
但馬 彰Ray社労士オフィス 代表 社会保険労務士
私には身体障害者手帳と療育手帳を持つ子どもがおり、障害者手帳を受け取った際の悩みや不安、孤独感を今でも鮮明に覚えています。
複雑な日本の社会保障制度の中でも、特に専門性を必要とするのが障害年金です。

この経験と社会保険労務士としての知識や経験を活かし、「同じ悩みを抱える方々の一筋の光となりたい」という強い想いのもと、Ray社労士オフィスを立ち上げました。

障害年金申請のサポートはもちろん、皆様の言葉に耳を傾け、心配事や将来の不安を解消し、安心して暮らせる明日を築くお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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