パニック障害でも障害年金を受給できるのかを徹底解説!

パニック障害と診断されたことで、障害年金の受給可否が決まるのかって気になりますよね。

障害年金では、認定の対象となる傷病かどうかに加え、日常生活や仕事への影響、初診日、保険料の納付状況などを確認します。

特に、パニック障害のみで請求する場合と、うつ病などの精神疾患を併存している場合では、確認すべき点が異なります。

この記事では、障害認定基準を踏まえ、パニック障害において、受給の可能性を考える際のポイントを解説していきます。

 

 

パニック障害で障害年金をもらえるかは状況次第

パニック障害で障害年金をもらえるかは状況次第

パニック障害のみを理由とする場合、障害年金の認定は原則として難しいとされています。

パニック障害は、疾病分類上「神経症性障害」に含まれます。

障害年金の認定基準では、神経症は症状が長期間続き、一見重症であっても、原則として認定の対象にならないと定められています。

ただし、例外や併存する疾患の有無も確認する必要があるため、診断名だけで個別の結果を断定することはできません。

☞参考記事:「障害年金の受給要件について」

 

パニック障害だけでは障害年金の対象になりにくい

パニック発作が重く、外出や就労が難しい場合でも、パニック障害だけで直ちに認定されるわけではありません。

認定基準では、神経症は原則として対象外とされています。

一方、臨床症状から精神病の病態を示していると判断される場合には、統合失調症または気分障害に準じて取り扱う規定があります。

この例外に当たるかどうかは、診断内容や病態を踏まえて審査されます。

主治医が、精神病の病態を示していると医学的に判断した場合には、診断書の備考欄にその旨と該当する病名の分類コードが記載されます。

この記載は医師の判断によるもので、本人や周囲が求めて書いてもらうものではありません。また、記載があっても、障害の程度は別途、日常生活や就労の状況から審査されます。

 

うつ病などを併発している場合は受給できる可能性がある

パニック障害に加えて、うつ病など認定の対象となる精神疾患がある場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

ただし、うつ病という診断名が付けば受給できるわけではありません。

たとえば、意欲の低下によって食事の準備や身の回りのことが難しく、家族の援助を継続して受けている場合には、その実態が重要な確認事項になります。

併存する疾患の症状と、生活や就労に生じている制限を主治医へ正確に伝えることが大切です。

☞参考記事:「うつ病で障害年金3級になった場合、金額はいくらになるのか?」

☞参考事例:「【うつ病】申請中の「これって大丈夫?」という不安もLINEで即解消!通院の空白期間を経て障害厚生年金2級を受給できた30代男性の事例」

 

パニック障害で障害年金をもらえるか確認するときに必要な受給要件

パニック障害で障害年金をもらえるか確認するときに必要な受給要件

認定の対象となる病態や併存疾患がある場合には、障害年金の基本的な受給要件も確認します。

主な確認事項は、「初診日」、「保険料納付要件」、「障害の状態」です。

初診日によって、障害基礎年金と障害厚生年金のどちらを請求するかも変わります。

認定対象に当たる可能性があっても、これらの要件を満たさなければ受給できません。

☞参考HP:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

 

障害年金受給に必要な主な要件

確認事項 主な内容
① 初診日 障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日
② 保険料納付要件 原則として、初診日の前日時点で所定の納付状況を満たしていること
③ 障害の状態 障害認定日、またはその後に、法令で定める障害の状態に該当すること

 

① 初診日が特定できること

障害年金の請求では、初診日を確認することが重要です。

初診日は、加入していた年金制度や保険料納付要件を判断する基準になります。

たとえば、最初に受診した医療機関と現在の医療機関が異なる場合、初診時の医療機関による「受診状況等証明書」が必要になることがあります。

転院を重ねている場合は、受診した医療機関と時期を早めに整理しておきましょう。

※パニック障害で通院を続けるうちに、うつ病などを併発するケースは少なくありません。

精神疾患は、途中で診断名が変わっても原則として同一の傷病として扱われます。

そのため、うつ病での受給を検討する場合でも、初診日は『うつ病と診断された日』ではなく『最初にパニック障害で受診した日』となります(長期間通院や服薬がなく、通常の社会生活を送れていた期間がある場合などは、個別に判断されることがあります)。

初診日が以前の受診日になることで、次の2点にも注意が必要です。

・保険料納付要件は、その『最初の受診日』の前日時点で確認されます。

・初診日に国民年金に加入していた場合は『障害基礎年金』の対象となり、基礎年金には3級がないため、2級以上に該当する必要があります。

また、受診から年数が経っていると、医療機関のカルテが残っていないこともあります。当時の診察券や領収書、お薬手帳などは捨てずに保管しておきましょう

☞参考記事:「【障害年金申請】初診日がわからなくても諦めない!初診日を証明するための方法とは?」

 

② 保険料納付要件を満たしていること

原則として、初診日の前日時点で、所定の保険料納付要件を満たしている必要があります。

基本となる要件は、初診日がある月の前々月までの被保険者期間について、保険料納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あることです。

一定の条件を満たす場合には、直近1年間に未納がないことによる特例もあります。

なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合、保険料納付要件は不要です。

 

③ 障害認定日に一定の障害状態にあること

障害認定日による請求では、その日に法令で定める障害の状態に該当している必要があります。

障害認定日は、原則として初診日から1年6カ月を経過した日(それまでに症状が固定した場合はその日)です。

障害認定日には該当しなくても、その後に状態が悪化した場合は、事後重症による請求(原則として65歳に達する日の前日までに請求する必要があります)を検討できます。

いずれの場合も、パニック障害に関する認定基準上の扱いを踏まえ、対象となる病態や併存疾患について確認することが前提です。

 

 

パニック障害で障害年金をもらえる可能性があるケース

パニック障害で障害年金をもらえる可能性があるケース

受給の可能性を検討する際は、診断内容と生活への影響を合わせて確認します。

特に、うつ病など認定の対象となる疾患を併存しているかは重要です。

外出の困難、家族による援助、職場での配慮は、実際の状態を伝えるための具体的な情報になります。

以下のいずれかに当てはまるだけで受給が決まるわけではない点に注意してください。

 

うつ病を併発しているケース

うつ病を併発している場合は、うつ病による障害の状態について確認します。

パニック発作に加えて、気分の落ち込みや意欲の低下が続き、日常生活に支障が生じていることもあります。

たとえば、発作への不安で外出を避けるだけでなく、食事や入浴などにも継続的な援助が必要な場合です。

疾患の併存と生活上の困難を主治医に伝え、現在の診断や病状を確認することが大切です。

☞参考記事:「うつ病でも、働きながら障害年金をもらえるのかを徹底解明!」

☞参考事例:「【うつ病で障害基礎年金2級を受給】20代シングルマザーが年額107万円、遡及含め初回入金440万円の認定を得た実例(石川県加賀市)」

 

外出や公共交通機関の利用が難しいケース

外出や公共交通機関の利用が難しい場合は、どのような援助や制限が生じているかを整理します。

利用できない乗り物の種類だけでなく、通院や買い物をどのように行っているかが実態を伝える手がかりになります。

たとえば、家族の付き添いがなければ通院できず、一人で外出を試みても途中で帰宅する場合があります。

ただし、外出が難しいという事実だけで受給できるわけではなく、認定の対象となる病態や併存疾患の確認が必要です。

 

【例】外出や公共交通機関の利用が難しいケース

確認する場面 具体的な状況の例 あわせて伝えたい援助・制限
電車・バスの利用 乗車を試みても途中で降りることがある 一人で利用できるか、家族の同行が必要か
通院 家族の付き添いがなければ通院できない 誰が送迎・同行しているか、その頻度
買い物 一人では店に行けず、買い物を任せている 家族が代わりに行う内容や頻度
一人での外出 外出しても途中で帰宅することがある どのような場面で起き、予定にどう影響するか

 

家族から日常的な援助を受けているケース

家族から受けている援助は、内容と頻度を具体的に伝えることが大切です。

同居していること自体よりも、援助がなければ何を行うのが難しいかが重要になります。

たとえば、家族が食事を用意し、服薬を確認し、通院や買い物にも付き添っている場合があります。

診察時には、家族が対応していることも含めて普段の生活状況を伝えましょう。

 

パニック障害で障害年金を申請するときのポイント

パニック障害で障害年金を申請するときのポイント

申請を検討するときは、まず診断内容と認定基準上の扱いを確認します。

そのうえで、発作の状況に加え、普段の生活と仕事の実態を整理します。

診断書は医師が作成し、病歴・就労状況等申立書は障害状態を確認するための補足資料になります。

病歴・就労状況等申立書は、本人(または家族)が作成し、障害状態を確認するための補足資料になります。

書類を整える際は、継続して起きている事実を正確に伝えることが重要です。

☞参考記事:「障害年金請求の流れ」

 

パニック発作の頻度や症状を具体的に医師へ伝える

診察では、発作の頻度や起きやすい場面を具体的に伝えましょう。

発作が診察中に起きない場合、日頃の状況を本人から説明しなければ伝わりにくいためです。

たとえば、週に何回程度起きるか、外出や通勤を中断することがあるかを記録しておくと説明しやすくなります。

発作後に予定を取りやめたり、回復まで援助が必要になったりする場合も、そのまま伝えてください。

 

日常生活で困っていることを具体的に伝える

日常生活の困りごとは、実際に行えないことや援助が必要なことに分けて伝えます。

「生活が大変」という説明だけでは、困難の内容や程度が明確になりません。

たとえば、買い物に一人で行けない、通院に付き添いが必要、食事を用意できない日が続くといった状況です。

調子の良い日だけを基準にせず、普段の状態や症状の変動も医師に伝えましょう。

 

パニック発作について医師に伝える際の整理表

記録すること 具体的に伝える内容の例
発作の頻度 週に何回程度起きるか、頻度に変化があるか
起きやすい場面 電車内、通勤中、買い物中など、発作が起きた場所や状況
発作時の症状 どのような症状が出て、どのくらい続いたか
予定への影響 外出や通勤を中断した、予定を取りやめたなど
発作後の状態 回復までにどのくらいかかったか、休息や援助が必要だったか
周囲からの援助 家族に迎えに来てもらった、付き添ってもらったなど

 

家族から受けている援助の内容を整理する

家族の援助を受けている場合は、誰が何をしているかを整理します。

本人だけで生活できているように見えても、家族の支えによって成り立っていることがあります。

たとえば、家族が外出に同行し、食事を準備し、服薬や生活予定を確認している場合です。

援助の頻度と、援助がない場合に生じる困難を、具体的な事実として伝えることが大切です。

 

家族から受けている援助の整理表

援助の場面 家族が行っていることの例 整理しておきたいこと
食事 食事を用意する、食べるよう声をかける 誰が週に何回行い、援助がない日は食事を用意できるか
服薬 薬を準備する、飲んだか確認する 誰がいつ確認し、確認がないと飲み忘れることがあるか
外出・通院 家族が同行する、送迎する 一人で行けるか、付き添いが必要な頻度
買い物 一緒に買い物へ行く、代わりに購入する 一人で買い物を済ませられるか
生活予定 予定を伝える、準備や時間を確認する 声かけがない場合に予定を守れるか

 

就労状況や職場で受けている配慮を整理する

仕事については、就労の有無だけでなく、働き方の実態を整理します。

同じ勤務時間でも、仕事内容や周囲の援助によって本人の負担は異なります。

たとえば、欠勤の頻度、業務量の調整、発作時の交代、通勤方法などを確認しておきます。

医師には、働けている部分と配慮がなければ難しい部分の両方を伝えましょう。

 

日頃から受診歴や生活状況を、医師に正確に伝えておく

医師が実態に即した診断書を作成できるよう、受診歴や生活状況を日頃から正確に伝えておくことが大切です。

 

※参考HP:日本年金機構「病歴・就労状況等申立書を提出するとき」

 

診断書は、医師が医学的な観点から作成する書類です。

たとえば、家族の援助や勤務上の配慮が医師に伝わっていない場合は、診察時に具体的な状況を説明します。

申立書には、症状や生活・就労の経過を、時期が分かるよう事実に基づいて記載しましょう。

 

パニック障害で障害年金をもらえるか不安な場合の相談先

パニック障害で障害年金をもらえるか不安な場合の相談先

自分の診断や受診歴で請求を検討できるか分からない場合は、早めに相談するのがおすすめです。

パニック障害では認定基準上の扱いを確認する必要があり、受給要件も個別の経過によって異なります。

最初の受診から長期間が経過している場合は、初診日の確認方法についても相談できます。

相談時には、受診した医療機関、診断名、現在の生活・就労状況を分かる範囲で整理しておくとよいでしょう。

 

年金事務所や街角の年金相談センターへ相談する

制度上の要件や必要書類は、年金事務所などで確認できます。

請求方法や診断書に記入する症状の日付は、請求内容に応じて確認が必要です。

日本年金機構も、精神の障害用診断書を作成する前に年金事務所等へ相談するよう案内しています。

初診日の証明方法や提出先に迷う場合も、受診歴を整理して相談しましょう。

 

障害年金に詳しい社会保険労務士へ相談する

受診歴や病状の経過が複雑な場合は、障害年金を扱う社会保険労務士に相談する方法もあります。

特に、転院が多い場合や、パニック障害以外の診断も受けている場合は、確認事項が増えます。

相談する際は、診断名、受診した医療機関、生活上の困難、就労状況を時系列で伝えるとよいでしょう。

☞無料相談も行っていますので、お気軽にお問い合わせください^^

☞参考事例:「【うつ病で障害基礎年金2級を受給】20代女性の実例(石川県かほく市)」

 

【まとめ】パニック障害で障害年金をもらえるかは、症状や生活状況などから判断される

【まとめ】パニック障害で障害年金をもらえるかは、症状や生活状況などから判断される

パニック障害のみの場合は、障害認定基準上、原則として認定の対象になりません。

一方、精神病の病態を示す例外に当たる場合や、うつ病など認定対象となる疾患を併存する場合には、個別の確認が必要です。

そのうえで、初診日、保険料納付要件、障害の状態を満たすかどうかが判断されます。

受給の可能性が気になる場合は、診断内容と日常生活・就労の実態を整理し、主治医や年金事務所に相談してみて下さい。

最終更新日 2週間 ago

投稿者プロフィール

但馬 彰
但馬 彰Ray社労士オフィス 代表 社会保険労務士(石川県社会保険労務士会所属 社労士登録番号 17220008)
私には身体障害者手帳と療育手帳を持つ子どもがおり、障害者手帳を受け取った際の悩みや不安、孤独感を今でも鮮明に覚えています。
複雑な日本の社会保障制度の中でも、特に専門性を必要とするのが障害年金です。

この経験と社会保険労務士としての知識や経験を活かし、「同じ悩みを抱える方々の一筋の光となりたい」という強い想いのもと、Ray社労士オフィスを立ち上げました。

障害年金申請のサポートはもちろん、皆様の言葉に耳を傾け、心配事や将来の不安を解消し、安心して暮らせる明日を築くお手伝いをいたします。どうぞお気軽にご相談ください。
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